事例共有・考察

【事例】1マイル4分の壁|意識次第で現実は変えることができる

事例共有・考察

「1マイル4分の壁」の実話をご存知でしょうか。この話は、人間の意識が結果を大きく左右することを示唆した事例です。スポーツの世界ではよく「メンタルの強さ」といった表現が使われますが、メンタルの状態は我々の生活にも深くつながり、影響しています。この事例を知っているだけでも心に活力が生まれ、様々な活動のモチベーションになります。とても興味深い話なので、ぜひ最後までご拝読ください。

1マイル4分の壁を破った男

画像はイメージです

遡ること1954年5月6日、イギリスの陸上選手であるロジャー・バニスター氏は、この日前人未踏の偉業を成し遂げました。1マイル(約1.6km)を3分59秒04という記録で走り切ったのです。1マイルを4分以内で走りきるということは、当時のデイリー・テレグラフ誌によると「スポーツ最高のゴール」で「エベレスト登頂に匹敵する難しいもの」と謳われており、医者や生理学者にも「それに挑戦することは健康に害を及ぼす」に言われていました。つまり、彼はこの日、人類の限界を超えたといっても過言ではありません。

イギリス・ハーロウ生まれで、オックスフォード大学医学部の生徒だったロジャー・バニスター氏は、イギリス屈指の中距離ランナーとして知られていました。しかし、誰もが彼の優勝を期待していた1952年ヘルシンキ・オリンピックの1500メートル走では4位という結果に終わりました。
それから数か月間、陸上をやめることを考えたバニスター氏は、なんと1マイル4分の壁を越えるというゴールを掲げることにしました。1945年にイギリス新記録を達成し、カムバックを果たしたシドニー・ウッダーソン選手の背中を追うかのように、今までだれもなし得なかったことを実現することにしたのです。

綿密な計画を練ることはもちろん、友人たちの助力も借りながら本番を迎えたバニスター氏、当日はトラックに強い風が吹いていましたが、これまで準備してきたことを遂行します。そしてレースも終盤に差し掛かり、陸上史に残る出来事を予感した観客たちの歓声が高まる中、バニスター氏は最終周のバックストレートでペースを上げ、先頭に躍り出ました。ゴールまで残りわずかの走りを、バニスター氏はこう振り返っています。

地面が共に動いている気がした。そこで、今まで気づかなかった力と美しさの源を見つけたんだ。

全てを出し切りゴールテープを突き破ったバニスター氏は、力尽きてそのまま地面に倒れ込みました。ゴール後の出来事について、バニスター氏は次のように語っています。

医者や科学者は、1マイル4分を切るのは不可能で、挑戦すれば死に至ると言われました。なのでゴール後に倒れてから起き上がったとき、私は死んだんだと思いましたよ。

タイムが4分を切ったことを知った瞬間、観客は歓喜の声をあげました。3分59秒04の記録を叩き出したバニスター氏は、まさにこの瞬間歴史を作り上げたのでした。

この話の興味深い後日談

皆さんはこの話を聞いてどう感じましたか?バニスター氏の挑戦に勇気をもらった方は多かったのではないでしょうか。ただし、今回の記事でお伝えしたかった内容はこのあとに起こった出来事になります

前人未到の1マイル4分切りに世界中が歓喜したその翌月、オーストラリアのジョン・ランディ氏は3分57分09を記録すると、その後約3年間で15人のランナーたちが3分台のタイムを残したのです。漫画の世界のような話ですよね。でもこれは事実です。しかし何故このような出来事が起きたのでしょうか。

それは人の持つ「意識」が大きく関わっていると言われています。

意識の力

バニスター氏が前人未到の4分を切ったとき、ライバルたちはこう思ったのではないでしょうか。「あいつにできるなら、私にもできる」と。この瞬間、意識は大きく変わります。「できない」と思い込んでいたことが「できる(かもしれない)」に変わったとき、脳はその目標を実現するための具体的な手段を模索し始めます。そして弛まぬ努力の結果、目標は達成されるのです。

この「意識の力」は他の事例でも伺うことができます。

事例①:バスケットのフリースロー

バスケット初心者のAは、最初フリースローを10回行いましたが1回もゴールに入りませんでした。その後目隠しをしてフリースローを行い、周囲の観衆にはシュートが外れても入ったかのように歓声を上げてもらいます。目隠しを外し、再度フリースローを行ったところ10回のうち4回ゴールに入りました。

バスケット上級者のBは、最初フリースローを10回行ったところ9回ゴールに入に入りました。その後目隠しをしてフリースローを行い、周囲の観衆にはシュートが入っても外れたかのようにブーイングをしてもらいます。目隠しを外し、再度フリースローを行ったところゴールに入らないようになってしまいました。

事例②:サッカー元日本代表 本田圭佑選手の小学校の卒業文集

「将来の夢」
ぼくは大人になったら、世界一のサッカー選手になりたいと言うよりなる。
世界一になるには、世界一練習しないとダメだ。
だから、今、ぼくはガンバッている。
今はヘタだけれどガンバッて必ず世界一になる。
そして、世界一になったら、大金持ちになって親孝行する。
Wカップで有名になって、ぼくは外国から呼ばれてヨーロッパのセリエAに入団します。
そしてレギュラーになって10番で活躍します。

一年間の給料は40億円はほしいです。
プーマとけいやくしてスパイクやジャンバーを作り、世界中の人が、このぼくが作ったスパイクやジャンバーを買って行ってくれることを夢みている。
一方、世界中のみんなが注目し、世界中で一番さわぐ4年に一度のWカップに出場します。
セリエAで活躍しているぼくは、日本に帰りミーティングをし10番をもらってチームの看板です。
ブラジルと決勝戦をし2対1でブラジルを破りたいです。
この得点も兄と力を合わせ、世界の強ゴウをうまくかわし、いいパスをだし合って得点を入れることが、ぼくの夢です。

本田選手はこの文集に書いた通り、2014年1月から2017年1月までセリエAのACミランに所属し、その間10番を背負ってプレーしています。

事例③:なんでもできてしまう女優 森川葵さんの意識

女優として活躍の場を広げている森川葵さん、その名を一躍広めたのは、日本テレビ系で2024年3月まで5年間放送されたバラエティー番組「それって!?実際どうなの課」でした。レギュラー出演していた森川さんは、さまざまな課題で、その道の達人たちが長年掛けて習得した技を驚異的なスピードで成功させ、時には達人を超えたパフォーマンスさえやってのけます。

 ブーメランやけん玉、ダーツなどこれまで成功させた技の数は120以上。技を一発で決めて達人たちをうならせたこともあれば、成功するまで何度もトライを続ける粘り強さも見せています。過去には、カップを積み上げてから元に戻すまでの速さを競う「スポーツスタッキング」のアジア大会の日本代表に選ばれ、3種目で金、銀、銅メダルを獲得する快挙も成し遂げています。

そんな彼女は成功の秘訣を「自分はできると信じること」と語ってます。

特にスポーツの世界ではメンタルの状態が結果を大きく左右する側面がありますが、上記の事例を見ても「できる」「○○になる」とポジティブな意識することが、成功を呼び込む上で大切であることは一目瞭然です。また森川さんのように何事に対しても「自分にはできる」と意識することで、成功を掴み取る可能性は各段に上がると思います。

最後に

「1マイル4分の壁」のエピソードはいかがでしたでしょうか。読み進める中で、自分の可能性を信じてみようとポジティブな気持ちになられた方も多いと思います。人は成長するにつれ、自分の限界を自分で決めてしまうようになりがちですが、今回の事例を参考に意識を変える努力をしてみても面白いかもしれません。

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