雑学系・その他

バタフライ効果|詳細をわかりやすく解説

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「ブラジルでの蝶の羽ばたきは、テキサスで竜巻を引き起こすか」この記事ではバタフライ効果(バタフライエフェクト)をご紹介します。知っていると面白い話ですが、概念が抽象的な部分もあるため、このブログ内では「雑学・その他」に分類しています。ただし、自分の生活にも活かせる内容なので、ぜひ理解を深めてみてください。

バタフライ効果の概要と類似例

概要

バタフライ効果とは、「非常に小さな出来事が、最終的に予想もしていなかったような大きな出来事につながる可能性がある」ことを示唆する言葉として使われています。

バタフライ効果(英語: butterfly effect)という表現は、気象学者のエドワード・ローレンツが1972年にアメリカ科学振興協会で行った講演のタイトル 「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?」に由来しています。このタイトルの背景にはローレンツの実体験に基づきます。

1961年に計算機上で数値予報プログラムを実行していた時のこと、ローレンツは最初、0.506127の数値を用いて天気予測プログラムを実行し、予想される天気のパターンを得ました。その後、もう一度同じ計算をさせるため、先程の値を入力しようとしましたが、偶然にもほんの少しだけ異なる値、0.506を入力して計算を開始さたところ、予測される天気のパターンは一回目の計算とまったく異なったものになっていました。ローレンツは最初コンピュータの故障と考えましたが、データを調べていく内に入力値のわずかな差によるものだと気づいたといいます。この結果から、もし本物の大気もこの計算モデルのような振る舞いを起こすものならば、大気の状態値の観測誤差などが存在する限り、気象の長期予想は不可能になることを思いついたのでした。

ここまでがバタフライ効果の一般的な概要です。

類似例

日本では「風が吹けば桶屋が儲かる」という表現があります。意味は「意外なところに影響が出ること、また、あてにならない期待をすることのたとえ」ですが、この話はバタフライ効果の内容に似ています。なぜ風が吹けば桶屋が儲かるのでしょうか?その関係性は下記通りです。

風が吹くと土ぼこりがたって目に入り盲人が増える。盲人は三味線で生計を立てようとするから、三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える。猫が減るとねずみが増え、ねずみが桶をかじるから桶屋がもうかって喜ぶということ。大風が吹けば桶屋が喜ぶ。

出典:デジタル大辞泉

なかなか面白い話ですよね。そこまで連鎖的に因果関係が成立するのかは難しいところですが、イメージはできると思います。「バタフライ効果」との違いについても説明します。

「一見すると無関係なものが、意外なところに影響を及ぼしている」という意味で、「風が吹けば桶屋が儲かる」は物事の因果関係に焦点を当てているのに対し、「些細な出来事や誤差でも、やがて大きな変化をもたらす可能性がある」という意味で、「バタフライ効果」は予測困難性(不確実性)に焦点を当てています

この点は理解しておきましょう。

バタフライ効果の活用例と注意点

活用例

バタフライ効果は使い方が難しい側面もありますが、よくビジネスや人材育成の場面では活用されます。私の独断と偏見も交えて事例や活用例をご紹介します。

ビジネスシーンにおける事例

株式会社JR東日本テクノハートTESSEI(テッセイ)は、新幹線の清掃を担当する企業です。当初、この業務は「汚い・過酷・危険」といわれる3K業務と言われており、社員のモチベーションは低い状態でした。その改善の中で「エンジェルリポート」という取り組みが開始されます。これは社員同士で日頃の感謝や頑張りについて報告し合う取り組みでした。その効果の過程はこの記事では割愛しますが、結果としてこれらの事例は「ハーバードビジネススクールの必修科目」になりました。テッセイの事例は、従業員のモチベーションと生産性を大きく向上させたことで高く評価されており、同時にこれがビジネスリーダーにとって理想的な例であるとし、米国ハーバード大学経営大学院(HBS)のMBA(経営学修士)では1年生の必修科目となったのです。

自分たちの仕事が、世界最高峰の教育機関の必修科目になるなんて夢のような話です。「エンジェルリポート」という蝶が羽ばたき、「ハーバードビジネススクールの必修科目化」という竜巻を巻き起こした事例だと思います。

最初は小さな取り組みだとしても、その後経営に大きな影響をもたらすような大きな変化につながっていく可能性を示唆しながら、新しい取り組みを始めてみることはビジネスにおいて大切な考えです。

人材育成における活用例

人材育成においては、「当たり前のことを当たり前にやる」であったり、「小さな努力の積み重ねが最終的な大きな結果をもたらす」といった形でよく使われます。皆さんも実体験としてこういった言葉をかけられたこともあるのではないでしょうか。

いきなり大きな成果(竜巻)を起そうとするのではなく、そのために小さな努力や積み重ね(蝶の羽ばたき)を大切にしなさいということですね。

注意点

前述の通り、バタフライ効果は本質として予測困難性(≒不確実性)を指し示していることを忘れてはなりません。小さな取り組みが全て思いもよらぬ大きな結果につながるわけではないので、この話に過度な期待を投影することは避けましょう。

最後に

今回は「バタフライ効果」について説明しました。人生の中で、些細な出来事や行動が大きな出来事や結果につながることはあります。過度な期待はNGと記載しましたが、自分のモチベーションに還元することをはじめ、ビジネスシーンやプライベートの意思決定や行動に繋げてみてください。

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