名言・格言・書籍紹介

【書籍紹介】『7つの習慣』(スティーブン・コヴィー)|全世界4000万部、自己啓発書の原点

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『7つの習慣』とは

「私たちの性格は、習慣の総体である。習慣は、知識・スキル・意欲が重なり合う場所に生まれる」

皆さんは、「人生を変えたい」と思いながらも、何から手をつければいいか分からず、結局いつもの毎日を繰り返してしまった経験はありませんか。私は結構あります。今回ご紹介する『7つの習慣』は、スティーブン・R・コヴィー氏が、過去200年分の「成功」に関する文献を研究した末にたどり着いた、人格主義に基づく自己実現のための一冊です。

全世界で4000万部以上を売り上げ、「自己啓発書の原点」とも称される本書ですが、あまりの分厚さに「本棚に置いたまま読み切れていない」という方も多いのではないでしょうか。今回は、本書の土台となる考え方を中心にご紹介します。

本書の冒頭でコヴィー氏は、近年の自己啓発書の多くが「人からどう思われるか」をテクニックで操作する“個性主義”に偏っていると批判します。そして、誠実さや謙虚さ、勇気といった、土台となる“人格”を育てることこそが、本当の意味での成功につながると説きます。この「人格主義」という軸があるからこそ、7つの習慣はテクニック集ではなく、30年以上読み継がれる普遍的な一冊になっているのだと思います。

「7つの習慣」とは、具体的に何なのか

本書で紹介される7つの習慣は、大きく「私的成功(自分を律する習慣)」「公的成功(他者と協力する習慣)」「再新再生(両方を支え続ける習慣)」の3段階に分かれています。まずは、それぞれの習慣がどんなものか、簡単にご紹介します。

第一の習慣:主体性を発揮する

刺激と反応の間には、選択の自由がある。環境や他人のせいにせず、主体的に自分がコントロールできる「影響の輪」に意識を集中させる習慣です。

第二の習慣:終わりを思い描くことから始める

行動する前に、自分が何を成し遂げたいのか、人生のゴールや目的を明確に描いておく習慣です。

第三の習慣:最優先事項を優先する

「緊急ではないが重要なこと」に、意識的に時間を使えるようにする、時間管理の習慣です。

第四の習慣:Win-Winを考える

自分が勝つか相手が勝つかではなく、双方が満足できる結果を探す、人間関係における習慣です。

第五の習慣:まず理解に徹し、そして理解される

自分の意見を伝える前に、相手の話を深く聴き、本当に理解しようとする習慣です。

第六の習慣:シナジーを創り出す

自分とは異なる意見や強みを掛け合わせることで、一人では辿り着けない答えを生み出す習慣です。

第七の習慣:刃を研ぐ

心身・知性・社会性などを定期的にメンテナンスし、他の6つの習慣を長く実践し続けられるようにする習慣です。

ここからは、この中でも特に土台となる第一〜第三の習慣を中心に、もう少し掘り下げてご紹介します。

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「影響の輪」と「関心の輪」——主体性を発揮するということ

「刺激と反応の間には、スペースがある。そのスペースには、反応を選択する自由と力がある」

本書の第一の習慣が「主体性を発揮する」です。コヴィー氏は、私たちが悩みごとを「関心の輪」(天気や景気など、自分でコントロールできないこと)と「影響の輪」(自分の行動や心構えなど、コントロールできること)に分けて考えます。主体的な人は、自分の「影響の輪」に意識とエネルギーを集中させる一方、反応的な人は、コントロールできない「関心の輪」ばかりに気を取られ、不満やストレスを募らせてしまう、と指摘します。

私は「変えられるもの」と「変えることができないもの(難しいもの)」を見極めることの重要性は、東進ハイスクールの人気講師であった林修さんの動画で学びました。

数学が苦手な人はy=axのa(定数)を変えようとするが、そこに力を入れても意味がない。

一次関数の公式に準えて仰っていたコメントです。コメントを完全に再現しているわけではないので、その点はご容赦いただきたいのですが、目の前の事象が変えられないa (定数)なのか、変えることができるx (変数)なのか、これを意識することで私はとても考え方がシンプルになったと感じています。

また「嫌われる勇気」の記事でも紹介したアドラー心理学でも同様のことを述べています。

人間にできるのは、馬を水辺に連れて行く(機会や環境を与える)ことまでです。実際に水を飲むかどうかを決めて行動するのは、馬自身(本人)の選択です。

アドラーは「課題の分離」と表現していますが、つまるところ、人間関係において相手を変えることはできないが、自分のこと(自分の課題)は変えることができるということですね。

このように主体的になるということは、自分の課題を見極めて、コントロールしていくことなのだと思います。

「終わりを思い描くことから始める」という逆算の発想

「すべてのものは二度つくられる。頭の中で思い描く“知的創造”が先にあり、それを形にする“物的創造”が後に続く」

第二の習慣は「終わりを思い描くことから始める」。家を建てる時に設計図なしで着工しないのと同じように、人生においても、まず自分が何を成し遂げたいのかという「ゴール」を明確に描いてから行動すべきだ、とコヴィー氏は説きます。目先のタスクに追われるあまり、そもそも自分が向かいたい方向を見失ってしまう——そんな状態への強烈な処方箋になる考え方です。

ここは、日々の仕事や日常生活の中でも共感できるところだと思います。目的思考の重要性を改めて認識させられる一節です。

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「最優先事項を優先する」——緊急じゃないけど重要なこと

「緊急な用事は重要であることは稀であり、重要な用事は緊急であることは稀である」

第三の習慣「最優先事項を優先する」で紹介されるのが、「緊急度」と「重要度」の2軸で物事を4つの領域に分類する、有名な「時間管理のマトリックス」です。第1領域は「緊急かつ重要」(締め切り直前の仕事、クレーム対応など)、第2領域は「緊急ではないが重要」(人間関係づくり、健康管理、将来の計画など)、第3領域は「緊急だが重要ではない」(突然の電話、一部の会議など)、第4領域は「緊急でも重要でもない」(時間つぶしの娯楽など)です。

時間管理のマトリックス 緊急度と重要度の4象限

多くの人は第1領域の「締め切り」に追われる毎日を送りがちですが、コヴィー氏が本当に時間を割くべきだと説くのは第2領域です。緊急ではないからこそ後回しにされやすいものの、ここに意識的に時間を投資できるかどうかが、長期的な成果を大きく左右すると言います。「緊急の用事」に追われているうちに、気づけば「重要だけど緊急ではないこと」が何ヶ月も手つかずのまま——そんな経験は、多くの方に心当たりがあるのではないでしょうか。

本書ではさらに、第四の習慣「Win-Winを考える」や、第六の習慣「シナジーを創り出す」など、一人で完結する習慣から、他者との関係性を扱う習慣へと話が広がっていきます。自分を律する「私的成功」から、周囲と協力し合う「公的成功」へ——この流れ自体が、人間関係に悩む多くのビジネスパーソンにとって、実践的な道しるべになっています。

こんな人におすすめ

  • 日々の忙しさに追われ、本当に大事なことが後回しになっている方
  • 他人や環境のせいにしてしまいがちな自分を変えたい方
  • 長期的なキャリアや人生の目標を、一度じっくり整理したい方
  • 「自己啓発書の原点」を一度は読んでおきたい方

分厚い本ですが、7つの習慣はそれぞれ独立した章になっているため、気になる章から読み進めることもできます。

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まとめ

「人格主義に基づく成功こそが、真の、永続的な成功である」

『7つの習慣』は刊行から30年以上経った今も読み継がれ、全世界で4000万部以上を売り上げたビジネス書の金字塔です。「知ってるけど読んだことない」の代表格ですが、読み終える頃には、日々の行動の一つひとつが、どんな「習慣」に支えられているのかを見つめ直すきっかけになるはずです。

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