名言・格言・書籍紹介

【書籍紹介】『人を動かす』(D・カーネギー)|100年読み継がれる人間関係の不朽の良書

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『人を動かす』とは

皆さんは、相手を説得しようとして、かえって関係がこじれてしまった経験はありませんか。今回ご紹介する『人を動かす』は、アメリカの実業家デール・カーネギー氏が1936年に著した、人間関係論の古典的名著です。刊行から90年近く経った今も、世界中で読み継がれ、自己啓発書の元祖とも言われる一冊です。

カーネギー氏は、若い頃から人前で話すことへの苦手意識を克服するために弁論術を学び、後にニューヨークで話し方教室を開講しました。その教室に集まった何千人もの受講生とのやり取りや、実業家・政治家たちの逸話を集めて体系化したのが本書です。机上の理論ではなく、豊富な実例に基づいているからこそ、時代を超えて説得力を持ち続けているのだと思います

私がこの本に出会ったのは社会人2年目でした。ビジネスにおけるコミュニケーション力をアップさせたいと本を探していたところ、先輩から「勉強になる本だと思うよ」と教えてもらって一冊でした。豊富な実体験をベースに描かれている点が共感しやすく、読み進めることができる本だと感じています。

「人を動かす三原則」

カーネギー氏が本書の冒頭で挙げているのが、人を動かすための三原則です。「批判も非難もしない、苦情も言わない」「率直で誠実な評価を与える」「強い欲求を起こさせる」。特に印象的なのは、「人を批判しても、相手は変わらないどころか、かえって反発を強める」という指摘です。正論で相手を追い詰めるのではなく、相手の立場に立って理解しようとする姿勢が、結果的に人を動かす近道になるという考え方が、本書全体を貫いています

心に残る具体的なテクニック

本書が90年経っても色褪せない理由の一つが、抽象論で終わらず、明日からすぐ使える具体的なテクニックとして落とし込まれている点です。例えば、「相手の名前を覚え、会話の中で自然に呼びかける」というテクニック。カーネギー氏は「名前は、当人にとって最も心地よく、もっとも重要な響きを持つ言葉である」と述べています。たったこれだけのことで、相手に「自分を大切にしてくれている」という印象を与えられるというのです。

私は人事部で採用業務の経験がありますが、この点は本当に共感します。採用担当と就活生という立場が影響していることは仕方ない部分ですが、インターンシップやイベントにきてくれた参加者の名前を覚えて呼ぶことで本当に嬉しそうな表情を見せてくれます。逆に私も名前で読んでもらえると嬉しいですし、さらに自己紹介スライドに記載している趣味や出身地などの情報を覚えてくれていたときはさらに気分が高揚します。名前は相手を一人の個人として確立させる大切な要素なので、ここは特にしっかり覚えておきたい点だと思います。

また、「議論に勝つ唯一の方法は、議論を避けることだ」という一節も有名です。たとえ議論で相手を言い負かせたとしても、相手のプライドを傷つければ、恨みだけが残ってしまう。本当の意味で人を動かしたいなら、勝ち負けではなく、相手の納得感を大切にすべきだという教えです。
私の先輩が言っていました。「議論は同じレベル同士の間でしか起こらない」。これは今になって思うと深い言葉だと思います。もちろん、議論で闘わなければならないシーンもあると思いますが、目的と照らし合わせた時に不要な議論にはそもそも参加しない、同じ土俵に立たないことの重要性はとても感じています。

ベンジャミン・フランクリンの逸話

本書には数多くの実例が登場しますが、中でも印象的なのが、政治家ベンジャミン・フランクリンにまつわるエピソードです。フランクリンは、自分に敵対的な議員に「本を貸してほしい」とあえて頼み事をし、丁重にお礼を伝えたところ、それまで口もきかなかったその議員と、生涯の友人になったといいます。人は、頼み事をされて力を貸すと、相手に対してかえって好意的な感情を抱きやすくなる——このエピソードは、心理学で「ベンジャミン・フランクリン効果」として今も語り継がれています。人を動かすとは、必ずしも強く出ることではなく、時には頼ることでもある、という逆説的な学びを教えてくれます。

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以前ご紹介した「影響力の武器」との共通点

本書は、以前このブログでご紹介した「影響力の武器」とも通じる部分が多くあります。『影響力の武器』が心理学的な原則(返報性・好意など)を体系立てて解説しているのに対し、『人を動かす』はより実践的な人間関係のエピソードを通じて、同じような原則を体感的に学べる構成になっています。理論から入りたい方は『影響力の武器』、実例から入りたい方は『人を動かす』、両方読み比べてみるのもおすすめです。

こんな人におすすめ

  • 部下や後輩とのコミュニケーションに悩んでいる方
  • 営業や交渉の場面で、相手との関係構築に課題を感じている方
  • 家族やパートナーとの何気ない会話を、もっと良いものにしたい方
  • 時代を超えて読み継がれる名著から、人間関係の本質を学びたい方

刊行から長い年月が経っていますが、紹介されている人間心理の本質は、今も色褪せていません。

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まとめ

『人を動かす』は、全世界で1500万部以上を売り上げ、多くの経営者やリーダーが「人生を変えた一冊」として名前を挙げる、自己啓発書の金字塔です。相手を変えようとするのではなく、相手の心を動かす関わり方を教えてくれる、人間関係の教科書とも言える一冊。読み終える頃には、明日から誰かと話すのが、少し楽しみになっているかもしれません。人との関わり方に迷った時、何度でも読み返したくなる一冊です。気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。

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