仕事・ビジネス

社会的手抜き(リンゲルマン効果)|詳細や対処法をわかりやすく解説

仕事・ビジネス

社会的手抜き(リンゲルマン効果)とは

大人数のグループで作業していると、なんとなく力を抜いてしまう——そんな経験はありませんか。一人で綱を引く時は全力を出せるのに、大勢で綱を引くとなぜか一人当たりの力が弱くなってしまう。これが社会的手抜きです。

社会的手抜きとは、集団で作業を行う際、一人当たりの努力量が、単独で作業する時よりも低下してしまう心理現象のことを指します。「リンゲルマン効果」とも呼ばれ、1913年、フランスの農業工学者マクシミリアン・リンゲルマンが行った綱引きの実験に由来しています。リンゲルマンは、参加人数を1人、2人、3人、8人と変化させながら綱を引く力を計測しましたが、参加人数が増えるほど、一人当たりが発揮する力の割合は低下していきました。1人の時を100%とすると、8人になると一人当たりの力はおよそ半分程度まで落ち込んだと言われています。

これは決して「サボろう」という意識的な怠慢だけが原因ではなく、「自分一人くらい力を抜いても、誰にも気づかれないだろう」という無意識の心理が働いていると考えられています。皆さんも経験がある、というよりはなんとなくでも無意識的に理解できるのではないでしょうか?

bored employee slacking off desk lazy

社会的手抜きの具体例

私たちの身の回りには、社会的手抜きが働いている場面がたくさんあります。

  • 大人数のグループワークで、一部のメンバーに作業が偏ってしまう
  • 大勢での拍手や声出し応援が、一人の時より控えめになる
  • 委員会やプロジェクトチームの人数が増えるほど、当事者意識が薄れていく
  • 「誰かがやってくれるだろう」という気持ちから、率先して動く人が減る

いずれのケースにも共通しているのは、「自分の貢献度が見えにくくなる」状況ほど、手を抜きやすくなるという点です。
私は人事で採用担当の経験があります。採用活動ではインターンシップを通じて企業理解をしてもらう場を提供することが主流になっていますが、このインターンシップはほとんどの場合グループワークでの運営が主体となります。その際、インターンシップに参加するための選抜面接ではすごく意識が高く、行動力もあるだろうと思って合格にした参加者が、グループの中では発言がなく影が薄くなってしまっていることは多々あります。初対面の人たちとのグループワークなので、人見知りしてしまうことや遠慮してしまうこともあると思いますが、このリンゲルマン効果が作用していることも少なからずあると考えています。またグループワーク際、グループの人数が多すぎる(感覚的には7名以上)とこのリンゲルマン効果は顕著になる感覚があります。

社会的手抜き(リンゲルマン効果)への対処法

社会的手抜きは、主に「いかに防ぐか」という観点でマネジメントに活用されます。

  • チームの人数を必要最小限に絞り、一人ひとりの役割と責任を明確にする
  • 誰が何を担当しているかを可視化し、貢献度が見えるようにする
  • 大きな目標だけでなく、個人単位の小さな目標も設定する
  • 成果だけでなくプロセスも評価し、個人の努力が埋もれないようにする

特に重要なのは、「自分の頑張りがちゃんと見られている」という状態を作ることです。これは以前ご紹介した「ホーソン効果」とも重なる部分で、関心を向けられることが、手抜きを防ぐ効果的な手段になります。

team meeting collaboration office

プライベートでの活用例

社会的手抜きは、プライベートな場面でも意識しておきたい心理です。

  • グループでの家事や係活動では、担当を明確に分けることでサボりを防ぐ
  • 「みんなでやる」より「誰が何をするか」を先に決めてから取り組む

人数が多いから安心、ではなく、人数が多いほど一人ひとりの意識づけが重要になる、と捉えておくとよいでしょう。

person volunteering helping community

注意点

社会的手抜きへの対策を考えるうえで、気をつけておきたい点があります。個人の貢献度を可視化しすぎると、今度は過度な競争や監視されているというプレッシャーを生んでしまうことがあります。あくまで目的は「一人ひとりが当事者意識を持てる環境づくり」であり、犯人探しのような雰囲気にならないよう配慮することが大切です。

最近ではAIの発展により、個人で仕事をする人もどんどん多くなってくると思いますが、基本的に社会は無数のコミュニティや組織に分かれて成り立っています。組織の中にある一人として、このリンゲルマン効果を意識しながら、健全な組織運営の一助にできると良いですね。

まとめ

社会的手抜き(リンゲルマン効果)は、集団で行動する際に誰にでも起こりうる、ごく自然な心理現象です。だからこそ、「人数が多いから大丈夫」と油断せず、一人ひとりの役割や貢献が見える仕組みを作ることが、チームの力を最大限に引き出す鍵になります。次にチームで何かに取り組む際は、この心理を意識してみてはいかがでしょうか。

この記事が参考になったら、ぜひ他のSNSもフォローしてみてください。
Threads:@gajumaru_111
X(旧Twitter):@gajumaru_0111
note:note.com/limber_sheep7167

タイトルとURLをコピーしました